前置きをしますが、これはどちらかというと悲しいお話です。

皆さんは何かに夢中になったことはありませんか。人生で一度くらいはあるのかなと思われます。

何かに向けて頑張るということはとても素晴らしいことだと思いますが、その原動力には「結果を出して、周りから認められたい」という潜在意識があるかと思います。

例えば高校球児はお母さんを甲子園に連れて行きたい、プロになって楽をさせてあげたいという気持ちがあるから頑張れたりもしますよね。

僕にとって、一瞬ですがそれがディズニーツムツムの時期がありました。

今から、大学時代に部活内や学科の中で一大ブームとなったディズニーツムツムの話をしようと思います。

©️ディズニーツムツム公式

ちなみに僕自体はディズニー作品はトイストーリーとかモンスターズインクくらいしか見たことがなかったのであまり思い入れはなかったです。

始めた理由は単純で、ただみんながやっていて面白いと言うので始めたのです。

たしか最初はティンカーベルというツムを使っていたと思います。そこそこ点数も取れる様になって、あんまり仲良くない同期とハートを送りあったりして仲良くなったりしたのが楽しかったなあとおもってます。

今思えばそれくらいでやめておくべきでした

そして、ある時期からツムツムがインフレし出します。

たしか、マレフィセントドラゴンというツムがめちゃくちゃ強いというブームになり

僕のランキング内ではマレフィセントドラゴン愛用者が上位を占めてきました。

僕も欲しかったんですけど、なかなか当たらず…

マレフィセントドラゴンを持っていないだけで、友達に勝てないのがとても悔しくてガチャを回し続けました。

しかし、当てることはできませんでした。

次にシンデレラブームがやってきます。

シンデレラスキルを発動している間はなんでも繋げられるという能力で、レベルによって最大で繋げられる数が変わるツムでした。

たしかレベルを最大まで上げると12個くらいまで繋げられたと思います。

9個くらい繋げるとタイムボムというボムが出てきて、それを取るとたしか2秒回復する効果があったと思います。

それをどんどん出して残り時間を増やしていくというのがシンデレラの作戦でした。

そして僕はイベントで偶然にもシンデレラを当てることができたのです。

…これで行くしかない。

僕は全てのコインやイベントでもらえるチケットをシンデレラを育てるためだけに費やしました

順調に点数も上がっていき、自己ベストはおろか、マレフィセントドラゴン上位勢と凌ぎを削るレベルにまで上達しました

その時は3000万点くらいが僕らの中でトップ層だったと思います。

その時僕は4000万点を取ったらすごい脚光を浴びるんじゃないか、大学のヒエラルキーの上層までいけるのではないかと考えました。

なぜかというと、当時ツムツムは大学のリア充たちも遊んでいた人気ゲームだったからです。

その栄光を夢見て僕はさらに没頭します。

そして、ある日めちゃくちゃ調子の良い時が突然訪れました。

いつまで経っても残り時間が減らないのです!

僕は、ネテロ会長の感謝の正拳突きのような感覚に陥りました。

HUNTER×HUNTER 第25巻より

しかし、僕は別に祈る時間を増やすわけではなく、ひたすらツムを消し続けました

今思えば頭がおかしいのですが、画面にハンドクリームを塗って指とスクリーンとの摩擦を減らしたりする工夫を施したりしました

ちなみにニベアのハンドクリームです。今もお風呂上がりや仕事の合間に愛用しています。

その結果…

4億点以上を出してしまいました…

多分1時間以上かかったんじゃないかなと思います。

僕らのランキングでは3000万点代が上位層だったので、一見4000万点が取れたように見えますが、まごうことなき4億点でした。

ハイスコアを出した時、休日で家だったこともあり、周りに報告することができませんでした。

当時、周りで1番点数が高い人は神の様に敬われていました。

僕は月曜日に大学に行ったらどんなにチヤホヤされるだろうと期待に胸を膨らませた記憶があります。

しかし、週明けにツムツムの話題を出したところ

友達や部内のやっていた人はみんな「もう飽きた、辞める」って言い出すのです。

思っていた展開と違ってとても戸惑った記憶があります。

後で聞いた話なのですが、僕が億という新しい次元に行ってしまったことで周りの人が一気に萎えてしまったそうです。

…しばらくして、僕もやらなくなりました。

話はそれますが、僕の大好きな漫画である「ヒカルの碁」でこんなシーンがあります。

主人公のヒカルがしばらく囲碁を辞めていたのですが、また始める時にライバルのアキラに会いに行きます。

その時、近くでそれを見た桑原先生が横のおじさんにこう言います。

知っとるか?碁は2人で打つものなんじゃよ。碁は1人では打てんのじゃ。2人いるんじゃよ。1人の天才だけでは名局は生まれんのじゃ。等しく才たけた者が2人要るんじゃよ、2人。2人揃ってはじめて・・・神の一手に一歩近付く

ヒカルの碁 17巻より

ちなみに桑原先生はこんな感じのおじいちゃんです。

桑原本因坊(アニメ「ヒカルの碁」より)

ツムツムで僕が一歩踏み出そうとした領域。

そこにはもう一人がいませんでした。

桑原先生の言うように、当時もう一人億を出す友達がいたら未だにツムツムをプレイしていたのかもしれません。

それから完全に引退して、何年も経つのですが、先程スクショを取ろうとアプリを開いたところ

お父さんだけやってました。

ちなみに600万点くらいしか取れてませんでした…。

最後に僕がいまだに愛用しているニベアのハンドクリームの広告を貼っておきます。

アルコール消毒が必須のご時世で、手荒れに困っている人は是非使ってみてください。